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Trajectory Control(軌道制御)の使い方:Wan 2.2 14B Fun Control

⏱️9min read
📅 2026年1月18日
Trajectory Control(軌道制御)の使い方:Wan 2.2 14B Fun Controlのメイン画像

前回の記事では「Wan 2.2 14B Fun Control」を紹介しました。今回は前回触れられなかった「Trajectory Control(軌道制御)」に絞って、仕組みと使いどころを分かりやすく整理します。公式では明示されていませんが、Wan-Move(Latent Trajectory Guidance)やATI(Any Trajectory Instruction)に近い発想の制御だと捉えると理解しやすいです。Trajectory Control(軌道制御)を押さえて、狙った動きを作れるようにしましょう。

Trajectory Control(軌道制御)の基本

Wan 2.2 14B Fun ControlにおけるTrajectory Control(軌道制御)は、動画生成AIにおいて「何が、どこに、どのように動くか」を、ユーザーが描いた線(軌道)で直接指示できる機能です。

静止画上の特定ポイント(物体やカメラ視点など)に対して、「1フレーム目から最終フレームまで、この経路に沿って移動せよ」というベクトル情報(軌道)を与え、それに沿った動画を生成します。

主な特徴
  • 直感的な操作:Spline Path Controlなどのツール上で、画像の上に点を打ち、線を描くだけで動きを指定できます。
  • 局所的な制御:画面全体ではなく、特定のキャラクターの腕や、背景の車だけを動かすといった「部分的な制御」が可能です。
  • カメラワークの指定:全体的な軌道を描くことで、パン、ズーム、ドリーなどの複雑なカメラワークをシミュレートできます。

コントロール動画の作り方

コントロール動画を作る前に🔗「Wan-Move」の例🔗arXivの論文を見ておきましょう。Wan-MoveやATIとは完全に同一ではありませんが、マーカーの付け方やプロンプト作りの参考になります。

Wan 2.2 14B Fun Controlに使うコントロール動画の作成方法はいくつかあります。今回はその中でも、無料で手軽に使える「Spline Path Control」を紹介します。

Spline Path Control v2.3

Spline Path Control v2.3起動直後 

参照画像の上にマーカーの動きを描き、Trajectory Control用のコントロール動画として書き出せるアプリです。

リリースページから最新版のZIPファイルをダウンロードしてindex.htmlを開くか、🔗オンラインページを開きます。

今回は以下の画像を動かしたいと思います。

サンプル画像
「彼女が机に突っ伏して暇そうにカメラに向かって指をグルグルさせている」動画を生成したいと思います。

Spline Path Control v2.3の使い方

Spline Path Control v2.3のUI 

操作はとてもシンプルです。参照画像を読み込み、動かしたいポイントに合わせてスプラインを描いていきます。ここでは設定項目を順番に見ていきましょう。

Spline Settings

Spline Path Control v2.3のSpline Settings 
  • Start Frame:選択中のスプラインの開始フレームを設定します。
  • Total Frame:選択中のスプラインの終了フレームを設定します。
  • Tension:値を上げると、スプラインが直線からカーブに変化します。
  • Hide When Done:チェックが入っているとスプラインの終了時にマーカーを消します。
  • PATH EASING:マーカーの動きをリニアから加減速を伴うノンリニアイージングを設定します。

Shape Settings

Spline Path Control v2.3のShape Settings 

マーカーの表示設定です。✅スプラインをすべて配置した後にCtrlを押しながら全選択し、スケール以外をまとめて編集すると手早く調整できます。

  • Shape:マーカーの形を指定します。
  • Fill:塗りつぶしの色を指定します。
  • Border:境界線の色を指定します。
  • Width:境界線の太さを指定します。
  • Size:大きさを指定します。
  • SCALE OVER TIME:マーカーがフレーム(時間)で拡大/縮小します。✅被写体をズームしたい時に使います。

Canvas Settings

Spline Path Control v2.3のCanvas Settings 

基本的には読み込んだ画像サイズに自動で合わせられます。画像がWan 2.2 14B Fun Controlに適したサイズより大きすぎる場合は、生成サイズに縮小してからスプラインを作りましょう。⚠️コントロール動画が大きすぎると、あとで縮小された際にマーカーが判別しにくくなる場合があります。

  • Width:キャンバスの横幅を指定します。
  • Height:縦幅を指定します。
  • Update Canvas:キャンバスを更新します。

Background Settings

Spline Path Control v2.3のBackground Settings 

参考画像を読み込むと自動的にキャンバスサイズが変更されます。

  • Choose File:参照画像を読み込みます。

スプライン編集

Spline Path Control v2.3のスプライン編集 
  • Add Spline:新規のスプラインを追加します。
  • Delete Spline:選択中のスプラインを削除します。
  • Add Point:選択中のスプラインにポイントを追加します。✅スプラインの線上をダブルクリックでも追加できます。
  • Delete Point/Anchor:選択中のポイントを削除します。
  • Add Ancor:新規のアンカーを追加します。✅アンカーは動かしたくないオブジェクトがある場合に使います。
  • Clone:選択中のスプラインをクローンします。✅複数のスプラインを選択して、まとめてクローンすることもできます。
  • Clear All:すべてのスプライン・アンカーを削除して、初期状態に戻します。
  • Undo:直前の動作を取り消します。
  • Redo:取り消した動作を戻します。

プレビュー設定

Spline Path Control v2.3のプレビュー設定 
  • Play Once:マーカーのアニメーションを1回だけ再生します。
  • Loop Preview:アニメーションの繰り返し設定をします。

書き出し設定

Spline Path Control v2.3の書き出し設定 
  • Export FPS:コントロール動画のFPSを指定します。
  • Length (in frames):動画のフレーム数を指定します。
  • Export Video:動画を書き出します。
  • Cancel Export:書き出し中の動画をキャンセルします。
  • Export Canvas:作成したスプライン・アンカーを保存します。
  • Import Canvas:保存したスプライン・アンカーを読み込みます。

動画書き出しについて

動画の書き出し時にはフレーム数に注意しましょう。

デフォルト設定では80ですが、Wan 2.2 14B Fun Controlで使うフレーム数に合わせましょう。今回は81にして書き出しています。

マーカー設定はデフォルトでも使えますが、認識しないことがあったためFillを白(255,255,255)にして、Widthを0にしました。

完成したコントロール動画が以下になります。頭を左右に揺らしながら、指先を円を描くように動かしています。

分かりやすいように参考画像に重ねてみました。

さらに細かい制御をしたい方はAdobe AfterEffects等を使って作成してみましょう。

次は、完成したTrajectory Control動画を使ってWan 2.2 14B Fun Controlでアニメーションさせましょう。

Wan 2.2 14B Fun ControlでTrajectory Controlを使ったワークフロー

ワークフローは基本的には、前回の記事で紹介したWan 2.2 14B Fun Control用のワークフローです。(品質向上のためノードを一部変更しています。)ワークフローやインプット素材はPatreonで公開しています。有料サポーター様のみ閲覧、ダウンロードが可能となっています。

🔒この内容は有料サポーター様限定です。有料サポーターの方はログインすると閲覧することができます。

最終結果

アップスケールとフレーム補間を行った最終結果は以下のようになりました。

高品質なTrajectory Controlについて

Wan2.2-Fun-A14B-ControlのTrajectory Controlは、参照ガイド由来の特徴が意図しないオブジェクトや背景に影響し、動きが広がってしまうケースがあります。 より厳密に点や軌道を制御したい場合は、ATI(Any Trajectory Instruction)の利用が適しています。

ATIは、過去に町全体のビルが上下に動くデモ動画が話題になったように、大域的かつ構造的な軌道制御を得意とします。 そのような背景主導の動きを、Wan2.2-Fun-A14B-Controlで安定して再現するのは比較的難しい傾向があります。

まとめ

Trajectory Control(軌道制御)は、ユーザーが描いた軌道で「何が、どこへ、どう動くか」を指定できるのが強みです。Spline Path Controlを使えば、参照画像に合わせてマーカーの軌道を作り、そのままコントロール動画として書き出せます。

  • コントロール動画作成:画像サイズは生成サイズに合わせ、フレーム数はWan 2.2 14B Fun Controlの設定に合わせます。
  • マーカー調整:認識が安定しない場合はFillを白(255,255,255)にし、Widthを0にして試します。
  • より高精度な制御:マーカーの映り込みや意図しない影響が気になる場合は、Wan-MoveやATIの利用も検討します。

Trajectory Controlを使いこなすと、被写体の動きだけでなく、パンやズームなどのカメラワークも狙って作りやすくなります。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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