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StableDiffusion webUI SDXLモデルの使い方の基本

⏱️9min read
📅 2024年5月14日
🔄 2024年11月15日
カテゴリー:📂 AIイラスト初級
StableDiffusion webUI SDXLモデルの使い方の基本のメイン画像

今回はSDXLモデルについて説明してきたいと思います。この記事の執筆時に世間ではStableDiffusionV3の発表で盛り上がっていますがその前のバージョンにあたるのがSDXLモデルです。

SD1.5モデルとの違い

Stable DiffusionのSD1.5とSDXLの主な違いは以下の通りです。

SD1.5

  • 学習ベースの解像度:512×512ドット
  • テキストエンコーダー:Open AI CLIP ViT-L/14
  • パラメーターベース:3.5 Billionのパラメーターベース
  • 主な特徴:
    • SD1.5は、比較的低い解像度で画像生成を行います。プロンプトの記述方法が直感的であり、扱いやすい一方で、生成される画像の細部には限界があります。
    • SDXLと比べると少ないメモリでAIイラストの生成が可能。
    • SD1.5の公開モデルが多くそれらをうまく使えば多彩な表現が可能
    • 「masterpiece」等の品質の修飾語プロンプトに慣れているユーザーが多い。

SDXL

  • 学習ベースの解像度:1,024×1,024ドット
  • テキストエンコーダー:OpenClip model (ViT-G/14) & OpenAI proprietary CLIP ViT-L.
  • パラメーターベース:6.6 Billionのパラメーターベース(リファインを含めた場合)
  • 主な特徴:
    • ベースとリファイナーを合わせて6.6Bパラメーターベースと大幅に拡大し、より複雑なデータの処理が可能。
    • 最大1,024×1,024のサイズ出力が可能となり精密なAIイラストの生成可能。
    • 「ベース」と「リファイン」の生成ステージが2段階になり、より高品質なAIイラストを生成可能。(ベースステージのみの使用も可能。)
    • 画像生成の精度が高く、複雑なプロンプトを組まずに高品質な画像を生成できる。
    • SD1.5よりも高速に作業し、画質を損なうことなく画像生成にかかる時間を短縮します。
    • カスタムLoraやチェックポイントモデルの学習スピードの向上

推奨スペック

SDXLモデルを使ってAIイラスト生成するにはGPUメモリが最低でも8GBは必要になります。

公式では「xformers」の使用を推奨しています。

「Automatic1111 Stable DIffusion Web UI」の起動設定をご自身のVRAMの容量により以下の様に変更することをオススメします。

Nvidia (12gb+) --xformers
Nvidia (8gb) --medvram-sdxl --xformers
Nvidia (4gb) --lowvram --xformers

xformers適応方法

ファイルエクスプローラーで\stable-diffusion-webui\を開きます。

webui-user.batを右クリックしてメモ帳又はお好きなテキストエディターで編集します。

set COMMANDLINE_ARGS=と記述されている行を探しましょう。

webui-userのデフォルト 

set COMMANDLINE_ARGS=の後に先ほど説明したコマンドライン引数を入力します。

たとえばご自身のVRAMが8gbの場合はset COMMANDLINE_ARGS= --medvram-sdxl --xformersとなります。

webui-userのxformersコマンド例 

保存してWebUIを起動します。

起動時のコマンドプロンプトを確認して下記の様になっていれば正常に適応されています。

xformersの起動確認 

SDXLモデルのダウンロード

まずは「stability.ai」が公開しているモデルを使ってみましょう。

SDXL-base-1.0 SDXL-refiner-1.0 SDXL-VAE

また、SDXL 1.0のオススメチェックポイントを紹介していますのでご参考ください。

SDXLモデルの使い方

ダウンロードしたモデルはSD1.5と同じ様に、チェックポイントモデルとリファイナーモデルは\stable-diffusion-webui\models\Stable-diffusionにVAEは\stable-diffusion-webui\models\VAEにそれぞれ移動します。

ブラウザに戻り左上のチェックポイントモデルの選択タブの横の「🔄」ボタンを押します。更新が完了するとタブより先ほどフォルダーに移動したチェックポイントモデルが表示されるので選択して読み込みます。VAEもSD1.5と同様に選択してください。

Refinerの活用方法

SDXLモデルにセカンドステージを組み込む際には、Refiner機能が必要となります。注意:WebUIバージョン1.5.2以前では対応していません。 したがって、バージョン1.6.0以上へのアップデート、またはimg2img機能を利用してリファイナーモデルを適用することをオススメします。

Refinerエリアの画像 
使用方法:
  • パラメーターエリアにある「Refiner」オプションを有効にします。
  • 「Checkpoint」でリファイナーモデルを選択します。
  • 「Switch at」の値は、モデルを切り替えるタイミングを指定します。この値は0から1の範囲で設定可能です。たとえば、0.5を設定した場合、プロセスの中間点でリファイナーモデルへと切り替わります。

解像度について

SDXLモデルは最大1024×1024まで出力が可能なので以下の解像度を使いましょう。

  • 1:1:1024 x 1024
  • 9:7:1152 x 896
  • 19:13:1216 x 832
  • 7:4:1344 x 768
  • 12:5:1536 x 640

SDXLモデルで生成してみる

以下の設定で生成してみましょう。

プロンプト
A cat in armor stands on a hillside,
Medival fantasy, award winning water color, full body,
ネガティブプロンプト
worst quality, ugly, deformed,bad anatomy,
パラメーター
Sampling steps: 30
Sampling method: DPM++ 2M
Schedule type: Karras
CFG Scale: 7
Clip skip: 2
Refiner: on
Model: sd_xl_refiner_1.0.safetensors
Switch at: 0.8
Width: 1344
Height: 768
VAE: sdxl_vae.safetensors
SDXLモデルのサンプル画像
Seed: 1742520817

いかがでしょうか?男前な猫騎士が生成されたと思います。Seed値を使用することで、類似したイラストを作成することが可能ですが、Web UIのバージョンによっては、生成されるイラストに違いが出ることがあります。また、award winning water colorの「water color」部分でスタイルが指定されているのでさまざまなスタイルを試してみましょう。

anime artwork, 
concept art, 
cinematic film still, 
comic, 
line art drawing, 
photographic, 
art deco style, 
art nouveau style, 
cubist artwork, 
hyperrealistic art, 
pop Art style, 
surrealist art, 
vaporwave style, 
イラストスタイル cinematic film still のサンプル画像
cinematic film still
イラストスタイル art nouveau style のサンプル画像
art nouveau style
イラストスタイル vaporwave style のサンプル画像
vaporwave style

テキストの生成

まだ成功率も低くLoraモデルの補助なく使うのは実用性はありませんが看板等の文字(英語のみ)を表示させることができます。

テキストの生成のサンプル画像 
プロンプト
A cat in armor stands on a hillside,
(holding a sign that says “ (CAT) ”:1.8),  
Medival fantasy, fantasy-core, Award-Winning, anime artwork, dramatic, key visual, vibrant, studio anime, highly detailed, full body,
ネガティブプロンプト
worst quality, ugly, deformed,bad anatomy,
パラメーター
Sampling steps: 30
Sampling DPM++ 2M Karras
CFG Scale: 7
Clip skip: 2
Width: 1344
Height: 768
VAE: sdxl_vae.safetensors
Refiner: on
Model: sd_xl_refiner_1.0.safetensors
Switch at: 0.7
Seed: 3632954274
ADetailer: on
Hires. Fix: on
Upscaler: R-ESRGAN 4x+
Hires steps: 10
Denoising strength: 0.5
Upscale by: 1.5

まとめ

今回は、SDXLモデルの基本操作についてご説明しました。Refinerを使用しない場合、SD1.5とほぼ同様に操作可能です。適切なスペックを備えたPCをお持ちの方は、ぜひ試してみてください。また、「masterpiece」のような品質を示す修飾語を使用することを推奨していませんが、出力の品質にも影響を与えることができるので試してみるのも良いでしょう。プロンプトの理解力が向上したことで、自然言語処理がさらに使いやすくなったと感じられるではないでしょうか。